茨城県つくば市の農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は、
遺伝子組み換え技術で開発した青色の菊を報道関係者に公開した。
菊は日本の切り花出荷量の約4割を占めており、新色の開発で
花束のデザインの幅や用途が広がりそうだ。
農研機構によると、菊には青系の色素を作る遺伝子がなく、青はこれまで
菊になかった色。農研機構は平成13年から研究を始め、青いバラの開発で
実績があるサントリーグローバルイノベーションセンター(東京都港区)の
協力を得て、青い花を咲かせるカンパニュラとチョウマメの遺伝子を菊に
組み込み、青色の菊の開発に成功した。
野生種と交雑する恐れがあるため、10年をめどに花粉と種子ができない
品種を開発し、商品化したいとしている。
農研機構の野田尚信上級研究員は「婚礼やお祝いなどさまざまなシーンで
使ってもらい、花卉(かき)業界を活性化したい」と話している。
農研機構が開発した青いキク=つくば市藤本
