https://mainichi.jp/articles/20210827/k00/00m/040/061000c 
 
毎日新聞 2021/8/27 11:41(最終更新 8/27 11:41) 578文字
 
 
 
 
 
 
「勝訴」などと書かれた紙を広げる弁護団と布川事件で再審無罪が確定した桜井昌司さん(左から2人目)=東京都千代田区で2021年8月27日午前11時26分、小川昌宏撮影
 
1967年に茨城県で起きた強盗殺人事件「布川(ふかわ)事件」で再審無罪が確定した桜井昌司さん(74)が、国と茨城県に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(村上正敏裁判長)は27日、1審・東京地裁判決(2019年5月)に続いて国と県の賠償責任を認め、計約7400万円の支払いを命じた。
 
1審判決は、茨城県警の警察官が取り調べで「母親が自白するように言っている」などと桜井さんにうそを言い、公判でも取り調べの録音テープの一部について「ない」と虚偽の証言をしたと認定。こうした県警の捜査と公判活動を違法と判断した。
 
 
 
検察についても、再審前の控訴審で弁護側から求められた目撃者の捜査報告書や供述調書の開示を合理的な理由なく拒んだと指摘。これらの証拠は「裁判の結果に影響を与えるものだった」とし、対応を違法と判断した。
 
その上で、「これらの違法行為がなければ、遅くとも73年12月の控訴審判決で無罪が言い渡された可能性が高い」と結論付け、国と県に計約7600万円の賠償を命じた。
 
 
 
事件は茨城県利根町布川で発生。男性を絞殺して現金を奪ったとして、桜井さんと杉山卓男さん(15年死去)が逮捕・起訴された。2人は捜査段階で「自白」したが、公判では関与を否定した。78年に最高裁で無期懲役が確定。09年に再審開始が確定し、11年に再審で無罪が確定した。【遠山和宏】
毎日新聞 2021/8/27 11:41(最終更新 8/27 11:41) 578文字
 「勝訴」などと書かれた紙を広げる弁護団と布川事件で再審無罪が確定した桜井昌司さん(左から2人目)=東京都千代田区で2021年8月27日午前11時26分、小川昌宏撮影
1967年に茨城県で起きた強盗殺人事件「布川(ふかわ)事件」で再審無罪が確定した桜井昌司さん(74)が、国と茨城県に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(村上正敏裁判長)は27日、1審・東京地裁判決(2019年5月)に続いて国と県の賠償責任を認め、計約7400万円の支払いを命じた。
1審判決は、茨城県警の警察官が取り調べで「母親が自白するように言っている」などと桜井さんにうそを言い、公判でも取り調べの録音テープの一部について「ない」と虚偽の証言をしたと認定。こうした県警の捜査と公判活動を違法と判断した。
検察についても、再審前の控訴審で弁護側から求められた目撃者の捜査報告書や供述調書の開示を合理的な理由なく拒んだと指摘。これらの証拠は「裁判の結果に影響を与えるものだった」とし、対応を違法と判断した。
その上で、「これらの違法行為がなければ、遅くとも73年12月の控訴審判決で無罪が言い渡された可能性が高い」と結論付け、国と県に計約7600万円の賠償を命じた。
事件は茨城県利根町布川で発生。男性を絞殺して現金を奪ったとして、桜井さんと杉山卓男さん(15年死去)が逮捕・起訴された。2人は捜査段階で「自白」したが、公判では関与を否定した。78年に最高裁で無期懲役が確定。09年に再審開始が確定し、11年に再審で無罪が確定した。【遠山和宏】